株式投資と言うと、どうしても、株価の動きを常にチェックしながら安く買って高く売ることで儲けるもの!というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし、資産形成ハンドブックで考えている「資産形成に必要な株式投資」は、売り買いすることではなく、基本的には持ち続けることだと考えています。
本日は、そのあたりをご説明します。
株価の動きは、「右肩上がり」と「ランダムな変動」に分解される
株価の動きは、基本的に以下の2つに分解できます。
- 右肩上がり(長期的な変動)
- ランダムな変動(短期的な変動)
右肩上がりというのは、その会社が商品やサービスを提供することで、売上を上げて、費用を払って、その結果利益を生み出すことで、株主は利益の分配を受け取ることができるわけですから、その会社の株価は右肩上がりになります(正確には、キャピタルゲインである株価の上昇(右肩上がり)と、インカムゲインである配当金の分配の合計として考える必要があります)。
もちろん右肩上がり、と一言で言っても、ものすごい勢いで上がっていく株式もあれば、非常に緩やかに上がっていく株式もあります。
また、業績不振、赤字続きなどで、右肩上がりどころか、右肩下がりなんて株式もあるのが現実です。
一方、ランダムな変動ですが、これは投資家が売りたい、買いたい、という短期的な需給や、リーマンショックなどの何かしらのきっかけにより、マーケット全体にショックが波及し、一斉に売られるなどといった要因(これも広い意味では需給とみなすことができるかと思います)によって、株価は上がったり、下がったりを繰り返すことになります。
例えば、先週は、FacebookやTwitterの株価が1日で20%前後下落したことが話題になっていました。
FBに続きツイッター株も急落、成長持続に懸念
2018年07月28日 18時05分
【ニューヨーク=有光裕】27日のニューヨーク株式市場で、米ツイッターの株価が急落し、前日比8・82ドル(約20・5%)安の34・12ドルで取引を終えた。不審なアカウントの削除に伴って月間利用者数が減少したため、成長を持続できるかどうか懸念が広がった。
27日発表した2018年4~6月期決算で、月間利用者数が約3億3500万人となり、1~3月期に比べて約100万人減ったことが明らかになった。利用者数の減少は7~9月期も続くとの見方も示した。
ツイッターは利用者の人気の目安となるフォロワー数を正確に表示するため、不審なアカウントを削除する取り組みを強化している。
ツイッターの時価総額は約66億ドル(約7300億円)減少し、前日に約19%安となった米フェイスブック(FB)に続く米情報技術(IT)株の急落となった。FBの株価も買い戻しの動きが鈍く、小幅に下落して取引を終了した。
YOMIURI ONLINEより引用
企業の今後の業績について、多くの投資家が想定していなかったマイナス材料が発表されたことがきっかけです。
これはマーケット全体ではなく、企業の個別要因ですが、今後、これらのサービスをある日突然誰も使わなくなるということはないでしょうし、今日、明日にFacebookやTwitterが廃業に追い込まれるということも考えにくいと思います。
株価というのは、時に、もしくはしばしばこういった大きな変動があるわけですが、マーケットをずっとウォッチし続けながらこういった変動に一喜一憂していては疲れてしまいます。
ですので、資産形成をしていくにあたり行う株式投資としては、少数の個別銘柄を選んで売り買いするのではなく、インデックスファンドなどを利用してできるだけ多くの銘柄(数千銘柄程度)に分散して投資し、保有し続けていくことが大切です。
そもそも株式投資の利益の源泉は?
上で、「その会社が商品やサービスを提供することで、売上を上げて、費用を払って、その結果利益を生み出すことで、株主は利益の分配を受け取ることができる」と書きましたが、その部分についてはぜひ次の記事をご覧頂ければと思います。
世の中に商品やサービスという付加価値を提供することで、個人や企業が利益を上げる仕組みをできるだけやさしくご説明しています。
この仕組みの部分をきっちり理解しておけば、日々の株価の動きを気にする必要はなく、しっかりと継続的に保有し続けていくことが大切であることをよりご理解頂けるのではないかと思います。
投資と投機
短期的に売り買いすることはより投機的な行為になり、一方、長期的に保有し続けることはより投資的な行為になると考えています。
投資と投機の違いについては、次の記事でご説明していますので、ぜひご覧頂ければと思います。
資産形成としては、個別株式よりも分散投資
今日のテーマは、短期的に売り買いすることより、長期的に持ち続けることが大切ということですが、もう一つ重要なポイントとして、少数の個別銘柄よりも、できるだけたくさんの銘柄に分散投資していくことが挙げられます。
例えば、5銘柄しか保有していなかった場合、1銘柄でも倒産!なんてことになると資産の20%くらいを失ってしまう可能性がありますが、数千銘柄に分散投資しておけば、そういったリスクはかなり軽減されます。
ということで、よろしければこちらの記事もご覧頂ければと思います。
みなさまの資産形成の一助となりましたら幸いです。
- 横田健一のプロフィール
- 初の著書「新しいNISA かんたん最強のお金づくり」(河出書房新社、2023年6月)は、10刷21,500部に!
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